短編

お知らせ

~禁忌叙情詩集【人外の瞳】~

【吸血鬼】  お前は何を得た? この奔走、まるで海の果ての大陸を目指し、裸のままで何度も何度も沈みかけては泳ぐように。 流れていく水に、抗えもしないのに。  お前は何を見た? 濁り切った視界に映る写像、それが幻想か、現実かもわ...
短編

RPGの苦悩

 今日も世界を救う旅に出る。 前の世界から持って来た、数々の武器たちを背負って。 何度繰り返したかも解らない会話を、また、聞いて。 僕は口に出したくても、出せない声を――――いや、ひょっとすると、最初から“会話”を諦めているのかもしれない...
小説

煙草と銃口の煙は。

「銃なんか、握るな。刃なんて、むけるな」  そう言ってくれた人が居た。 もう、何年も前の話になるわけだが。  今日も今日とて、薄汚れた建物の影で、座ってふかす。 掃きだめのように、腐り荒み切ったこの町で。  ...
小説

真・蘆屋道満大内鏡(未完)

 陰陽道。 それは、中国伝来の妖術を扱う者の道。 森羅万象は、陰と陽の要素によってできているという考えから発展した――東洋の占星魔術にして学問である。  西暦九百六十年代――平安の世。 かつて、陰陽道の極みに至った...
短編

醜き怪物

「もう、全てが厭になったのだ」  雨粒と血に濡れ、小国の城下町でそう語るかの者の身は、もはや人に非ず。 背中から蠢く黒き触手は、周囲の全ての生命を貫き、体液を絞りつくしていく。 知性と、優しさに溢れていた瞳は、空腹の猛獣...
デモニルスが語りし宿命

デモニルスの遺言書

 古風の屋敷。 常に雨雲に閉ざされ、誰一人として介入を許さぬかのような雰囲気を醸し出すその館に、彼は居た。  彼の名は、デモニルス・クロウズ・シャルハルトル。 一時代の名として刻まれる程の、偉業を成し遂げた唯一の魔術師に...
デモニルスが語りし宿命

デモニルスの創世神話

 デモニルス歴。 それは、真の人類最古の物語。 誰にも知られぬ、人類の原初の歴史の時代である。 幾度となく滅んでは再生を繰り返した各『世界』の祖。 今こそ語ろう、『世界』の記憶を。  虚無。 そこには、...
怪奇ノ夜話

~新夜話式童謡~(new nursery rhyms )

 今夜、紹介するのはナーサリーライム。 即ち、童謡である。 今回は私が個人的に調べていく内、ほの暗さを感じたものを三つ取り上げる。 なお、訳は私の意訳と個人的解釈が含まれているので注意。 息の根止まったクッ...
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