小説

天界

天使の階級について

天使。 それは高貴なる、物質的肉体無きもの。 聖人を時に祝福し、時に守護する――天に座する者達の総称である。 基本的には魔族と同様に、人間へと擬態している。 これは身分の高さを誇示する目的こそ同じだが、高位...
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竜教 旧教戒書

 はじめに  旧教戒書とは、竜教のあらゆる教戒書の元となる教えの書かれた本である。 “主”と呼ばれる存在は竜人とも、また竜であるとも言われているが、そのどちらであるかも定かではない。 現代においては竜とは自然現象を擬獣化、竜人は竜教...
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禁忌神話伝とは

 禁忌神話伝とは  禁忌の力を得てしまった、あるいは内包していたものが引き出されてしまった、怪物達の孤独と悲哀、その行く末を描く物語である。  何故語られないのか その理由は、竜教の存在にある。 というのも、竜教教徒にこれらの怪物に...
孤独なる魔王

孤独なる魔王 偽典 

 魔界。  そこは、異形の怪物――――魔族が蔓延る異世界。 かつて英雄を前に敗れ、倒れた者。 神々に挑戦し、反旗を翻さんとした者。  第二の生を享受する、彼らの安寧の地にして、戦場。 同時に、子を養う場でもある。 これは、起こり得た...
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第二章 第十四話  乖離

快が、ふとグリードの方を見つめると、空を見上げるグリードは暗鬱な表情を浮かべていた。 これまでに、無いような憂いを帯びた顔に、快は手を伸ばして言葉を投げかける。 「大丈夫?」 「何、少しばかり昔を思い出してな」 ...
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第二章 第十三話 生の意味

 走り抜けた先。  そこは、大都会。  港町を必死に駆け抜け、二人はやってきた。  遠くの海すら覆い囲う程の摩天楼群の、真っ只中へと。  もはや、最初から何事もなかったかのように日常の風景を照らし出していた。 ...
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幕間 破戒の頽廃教会

『怖かった』 『魔界の全てが蹂躙されていくあの光景が。  見知った連中の体が血しぶきをあげ、遺言に聞こえてくるのは叫び声。  止せばいいのにとでも言わんばかりの鮮血に濡れた顔は、憎らしくも歪むことは無い。  ただ冷...
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第二章 第十二話 結界 千回 戦闘 閃光

 重なった声は、快の声。  もう一つは、先程、戦闘が開始される前に一瞬快にとって聞き覚えのある声だった。  快が声の方角を見ると、そこにいたのは、白髪の青年。  教会の壁際に体をもたれかけ、白髪の青年は、口許から血を流し...
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第二章 第十一話 主よ

  声が響く。  凛として、低く。  教会の入り口、真上から。  快とグリードが教会の屋根を見上げると、そこには少女の姿があった。  少女は修道服に身を包み、屋根から下の風景全てを見下ろす。  ――大降りの短...
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第二章 第十話 怪 解 戒 廻 

 駆けていった先の、港町。  そこは、煌びやかに太陽に照らされた海の輝く、漁港であった。  漁港近くには、漁師と思しき鉢巻を巻いた男が船波止場近く、魚一杯になった投網を船から出している。  快が右を向けば、石作りの住宅が...
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第二章 第八話 深淵は宿命を喚起せり

 誰も居ない道は、舞っていく風に不変の如く。  虫さえも眠り、草木は揺れず。  夜空に浮かんでいた月もその光を閉ざした夜道に、少年は走る。  何もかもを包み込む、怪しげな霧へ向かって。  視界が霧がかっていくにつれ...
禁忌の召喚者

第二章 第四話 家族

「おぉ、皆が帰ってきた」  ギルバルトは、快を奥へ連れて行こうとした瞬間に、後ろを向く。  急いで杖をつき、ドアを開けるとそれに釣られて快はドアの先へ向かう。  すると、そこにはバスがグループホームの前に止まっていた。 ...
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第二章 第三話 Dear……

  年甲斐が無い――とさえ思える、激昂ぶりだった。  唾を飛ばし、グリードに怒鳴る壮年の姿は先ほどまでの様子とはあまりにも変わり果てているもの。  大きく開かれた口は、快に不穏な煌めきを見せて。 (一瞬見えたのは八重歯?...
禁忌の召喚者

第二章 第二話 グループホーム

 グリードに、手を引かれ、快の目の前の景色は、一変する。 先程まで見ていた、大都会の路上とは全く違う、細い歩道。 広い道路がその歩道を圧迫せんかのように、敷かれていた。 手を引かれるままに、しばらく歩いていると、左方向に...
禁忌の召喚者

第二章 第一話 終焉の続き

  少年を囲む仲間たちの、歓声。 戦士達の埃と、血にまみれた体。 それを横目に、何事もなかったかのように、活動していく街並み。 その全てが、戦いの終焉を祝福する。 安堵と、希望に満ちた空間が――そこには広がっていた...
禁忌の召喚者

第二章 第零話 強襲者の来訪

 全てが、終焉を迎え。 僅かな硝煙の匂いだけが、戦いの終止符に打たれた痕跡として残る、摩天楼群。 遠くでは、少年が無邪気に、煤に塗れた頬を拭い――これまでの旅に道連れにしてきた仲間達と語らっている。 「良かったな」 ...
禁忌の召喚者

三十三話 昇る太陽、照らしゆく世界。

「貴様ら、わかっているのだろう。ワシの体を」  ジェネルズは快に向かって言う。  快は対して、歩みを進めて行った。 倒すべき者の戯言等、耳にしていないと言うかのように。 目の前で、快の歩みと共に修復を始めるガレキに...
禁忌の召喚者

第三十一話 少年の叫び

 抱擁を交わしあう、人外二体を前に、快は微笑んでいた。 「良かった、ユンガさんも、キマイラさんも――家族に会えて」 その台詞にあるのは、安堵の吐息。 「にしてもこれから、どうするおつもりですか? ユンガ様も、キマイラ様も...
禁忌の召喚者

第三十話 森の中のwedding

鬱蒼と生い茂る森林。 獣道と形容すべき、荒々しく風に削られた、その地面に一行は座っていた。 「意外と、うまくまけたな」  棕は、たった一つの目を隣にいるアムドゥシアスに向ける。 対してアムドゥシアスは、両手を地面に...
禁忌の召喚者

第二十九話 生命讃歌

「何が、起こった?」  快の前で、グリードが起き上がる。 Fencer隊員が周囲で倒れている、白い床の上で。  周りを見渡すグリードの前で、目が開いたのを認識すると快は安堵の表情をたたえ、グリードの手を引く。 引っ...
禁忌の召喚者

第二十八話 神ハカタラズ

 相対し、互いの攻撃が交差する。 交差した両者――グリードとユンガの攻撃が、施設全体に衝撃を走らせていく。  その様は、呆然と眺める快にとってはまさしく風神と雷神の対峙を彷彿とさせてやまなかった。  ユンガの拳に纏わせた...
禁忌の召喚者

二十七話 紫電と漆黒

「手榴弾を放て!」 「だめです! 既に切れています!」  Fencer隊員の叫びと、キマイラの咆哮は基地を引き裂く。 基地にあった筈の先程までの静寂は、一瞬の来訪者を許したと共に裏切られていく。  Fencer隊員...
禁忌の召喚者

第二十六話 Who is Taboo summner

 散乱した、研究室。 脱走した獣を追いかけ返り討ちにあった者達の絶叫が、Fencer基地内の人々の耳に響いていた頃。 獣が封じられていた部屋に、隠れるかのようにたたずむ影があった。 グリードである。  グリードは、...
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煙草と銃口の煙は。

「銃なんか、握るな。刃なんて、むけるな」  そう言ってくれた人が居た。 もう、何年も前の話になるわけだが。  今日も今日とて、薄汚れた建物の影で、座ってふかす。 掃きだめのように、腐り荒み切ったこの町で。  ...
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ヘルラジオ

 どこかで、聞いたことがあるだろう?  この世界には、常識では考えられないものが、ひそかに存在しているって。  これは、僕がそんなものに触れた時の話。  改めて、不思議なものが存在したのだなと思わざるを得ないものだ。 ...
禁忌の召喚者

第二十六話 Who is Taboo summner

 散乱した、研究室。 脱走した獣を追いかけ返り討ちにあった者達の絶叫が、Fencer基地内の人々の耳に響いていた頃。 獣が封じられていた部屋に、隠れるかのようにたたずむ影があった。 グリードである。  グリードは、...
禁忌の召喚者

禁忌の召喚者 第二十四話 暴

 開けられた扉の前に広がる、風景。 それは、軍事基地を彷彿とさせる空間だった。 巨大な建物の前の両脇には、攻撃ヘリが横二機ずつ一列に並んでおり、ヘリの後ろでは無数の装甲車が駐車されている。 ヘリには、青と灰色の迷彩が施さ...
小説

真・蘆屋道満大内鏡(未完)

 陰陽道。 それは、中国伝来の妖術を扱う者の道。 森羅万象は、陰と陽の要素によってできているという考えから発展した――東洋の占星魔術にして学問である。  西暦九百六十年代――平安の世。 かつて、陰陽道の極みに至った...
禁忌の召喚者

禁忌の召喚者番外編 天護町を訪れた者の手記

二〇二二年 某月某日 現在時刻午後一時  私は今日、世にも珍しい奇妙な県へ訪れる事になる。 正確に言えば、一つの県まるごとが町扱いになっている県だ。 奇妙な点というのは、それだけでなく――“日本地図に無い”というところに...
デモニルスが語りし宿命

デモニルスの遺言書

 古風の屋敷。 常に雨雲に閉ざされ、誰一人として介入を許さぬかのような雰囲気を醸し出すその館に、彼は居た。  彼の名は、デモニルス・クロウズ・シャルハルトル。 一時代の名として刻まれる程の、偉業を成し遂げた唯一の魔術師に...
デモニルスが語りし宿命

デモニルスの創世神話

 デモニルス歴。 それは、真の人類最古の物語。 誰にも知られぬ、人類の原初の歴史の時代である。 幾度となく滅んでは再生を繰り返した各『世界』の祖。 今こそ語ろう、『世界』の記憶を。  虚無。 そこには、...
禁忌の召喚者

禁忌の召喚者第二十三話 Fencer

 車の両脇に広がるは、ありふれた日常風景の痕。 へし折れた信号機群を通り過ぎ、茶色がかった寂し気な道路を走る。 天護町の、一部に過ぎないはずの無残なる戦いの痕跡が―――ありありと窓から存在を主張していた。  しばらくして...
設定

”禁忌”の持つ”禁断”の力

禁忌属と呼ばれる、世の理全てからかけ離れた強大な力を持つ者達は、それぞれ”混沌の主”と呼ばれる脅威度、総合脅威度を誇っている。 故に、冥界・天界・魔界・地上界……………………あらゆる世界において、発生した時点で危険な存在として扱われ...
孤独なる魔王

孤独なる魔王偽典≪イフ≫ 最終話 終曲

「跪け、雑種ども」  彼女の声に、反する者は誰一人として居らず。 彼女の名は、プエルラ・テネブリス。 たった一人の男を前に、敗北を喫し―――――復讐を果たした完全なる魔王である。 レクスを討ち、人間を滅ぼした、史上...
ある王宮錬金学術師の譫言

ある王宮錬金学術師の譫言 破転起

 破壊され目の前に散らばった短剣と、鎧。 硝子の破片に映る燃え尽きた街並みが、それまで生きていた世界の全て――それまで生きていた時代が、終わりを告げたことを報せる。 ガレキの山に潰れるは、その時代の象徴。 民に愛され、崇...
禁忌の召喚者

禁忌の召喚者第二二話 Gun”s・Peace

 「車の中に入れ」  銃を構えた武装集団の隊員が、一行に向かって腕を振る。 快が武装集団の乗っていた車に目をやると、車の扉は開かれた。 車内は、バン型の車両というに相応しく――広々としており、座席はもはやソファーのように...
ある王宮錬金学術師の譫言

ある王宮錬金学術師の譫言 破転

僕の眼が覚めた時。 辺りは静寂に包まれていた。 多種多様に、様々な髪色と背丈の人々が皆祈りを捧げるかのように縮こまり、一瞬たりとも声を上げることなく。 ただ、屠殺を待ちわびる家畜の如く――民は虚ろな目をしばたた...
禁忌の召喚者

禁忌の召喚者第二一話 who am アイ 

 最初から、何もなかったかのように、その男は快の前で微笑む。 先程までの、血気迫る――鬼神の如き形相の持ち主と同一人物とは思えぬ表情だった。 「面倒事は片付いた。じゃあ、行くか。その前に腹減ってないか?」  真の名を、グ...
禁忌の召喚者

禁忌の召喚者第二〇.五話 過去の栄光は過去と共に去≪あ≫れ

 人々行き交っていた、商店街の店たちの屋根を打つ雨。 今や誰も居ない、曇天の下――閉じられ歪んだシャッターに身を置く姿が在った。  ユンガ・テネブリスである。 「うぅ…………」  再生しかけている、下半身を動かし、...
ある王宮錬金学術師の譫言

ある王宮錬金学術師の譫言 序起

 ことの始まりは、魔王の進軍だった。 嵐の如く、この世の終わりが訪れたかのように王の国が蹂躙されていく。  避難してきた遠くの地方民から、僕の地元が焼かれ崩れていったと聞いた。 母の居た、森の住民たちがたった一体の強大な...
禁忌の召喚者

禁忌の召喚者 第二〇話 欺瞞/友情

「少年、例の男からの話は聞いているな?」  レクスが快に問う。 巨体を跪かせ、快に目線を向けて。 「例の男………? まさか、ソロムとジェネルズを両方殺すって言ってた……?」  快が小声でそっと、レクスに耳打ちすると...
禁忌の召喚者

禁忌の召喚者 第一九話 英雄、帰る鬨

 無残な様を、夕闇に晒す教会に――たたずむ一つの姿が在った。  それは、ガレキの山に見える手を、踏みつぶし憎々し気に歯を軋ませる。 踏みつぶされた手は、骨ごと砕け男の靴底を赤黒く染めていく。 「これが、俺の子孫の末路だと...
禁忌の召喚者

禁忌の召喚者 第一八話 THE RING IS TABOO

 夕暮れ時。 陽の沈みゆく地平線へ向かって、一行は進み続けていた。 ソロムの感じ取った、ジェネルズの魔術の残り香を頼りに。 「ソロム、一体ジェネルズはどこに?」  快が後ろにつき、ソロムに視線を向ける。  ソ...
禁忌×ノ魔王

禁忌の召喚者 第一七.五話 交錯乱闘剣ノ舞

「待て、絶対に逃がさないぞ……………ジェネルズ!!!」 「ユンガ、はやまんじゃねぇ!」 ビルの屋上を飛び越えながら、怪物を追う二人。 戦いの跡地となり崩壊していく街並みを遮り、ユンガが魔術の光弾を放つと、ジェネルズは片腕...
禁忌の召喚者

禁忌の召喚者 第一七話 曇天≪わざわい≫を、晴天≪ちから≫へと。

 青空の下に、満身創痍の戦士たちは跪いていた。 止めようのない血を、黒い道に流し――垂らして。 「おい、快、生きてるよな?」 棕は快の傷ついた体を揺さぶる。 額を真っ赤に染め上げ、隻眼の眼で幼い――死相浮かんだ快の...
ろぐばの日常

リクエスト企画回! ろぐばの日常!

第一話 プエルラ・テネブリス  プエルラ・テネブリス。 その名は、全てを統べる――魔界の大魔王を意味している。 残酷なる運命に、その身を虐たげられながらも、その全てを跳ねのけ、全てを己の糧とした”最強の魔族”。 そ...
禁忌の召喚者

禁忌の召喚者第一六話 炉心溶融ノ果テ≪メルトダウン・オーバー≫

光の中を突き進み、快は炎に身を焦がし、臆することなく剣を振るう。放ちゆく斬撃は、紅蓮の炎よりも激しく――蒼炎をも焼き尽くす白炎を纏っていた。全力の攻撃は、快の視界に捉えた、ジェネルズの姿を切り刻んでいく。その連撃を前に、ジェネルズは片腕で...
孤独なる魔王

孤独なる魔王for bifore 禁忌の召喚者 (いい夫婦の日特別回)愛成≪アイジョウ≫

「ユンガよ! もうそろそろ番を考えるべきではないか?」城の窓から顔を出した、獅子の頭が言う。駄目ですよ。と言うと、わかり切った様子で頭を窓から下げてしょんぼり。その様子が思い浮かび、とても心痛むので、僕はいつもの言葉を口にする。「懲りずに...
禁忌の召喚者

禁忌の召喚者第一五話 生≪あす≫を賭けた戦い

 快はゲームセンターを出て、印章封印札を取り出す。 ゲームセンターを出ると、辺りは夕焼け空に染まっていた。 「ソロム、ユンガさん、大丈夫ですか?」 印章封印札に向かって話しかけるが、相も変わらず反応は無かった。 (...
禁忌の召喚者

禁忌の召喚者第一四話 その胸にあるのは

 人で賑わう遊び場たるそこは、少年を捕える牢獄へなさんとしていた。 快は走り、元居た場所へと向かう。 しかし、歩けども駆けようとも、光景が変わる事もなく。 「…………どういう事だ?」 その様はさながら、”柵”へ囚わ...
禁忌の召喚者

禁忌の召喚者 第一三話 引き戻されていく、深淵へ。

 一行は、教会を出て北へ二キロ離れていった。 教会から、逃げるかのように。 「あれで、本当に終わったんだろうか」 快は、言葉を零す。 「さぁ、問題はあの銀髪のおにーさんの方じゃない?」 棕が返すと、思い出した...
設定

魔鎧・魔剣・宝剣(特殊武装)について

魔鎧 魔鎧とは、魔力の込められた鉱石や一般的に流通されおらず”存在していない事にされた”素材によって作られた鎧である。 本来、鎧とは主に外部からの衝撃から装着者を保護する役割を担う防具であるが、魔鎧は秘められた魔力、素...
禁忌の召喚者

禁忌の召喚者 第一二話 終≪シンジツ≫に近づく冒険

 「………棕さんは大丈夫だろうか」 快は、怪しげな白装束集団からの注目を一点に浴びながら――呟いた。 その後、無言で棕の帰りをひたすらに待っていると、不安に駆られている様子の快に更なる追い打ちをかけるかのように、教会全体が揺れ...
禁忌の召喚者

禁忌の召喚者 第???話 誰かが見た戯言

 泡沫の夢を見る。 瞬きと共に消えゆきそうな、そんな望み。 いつからすれ違ったろうか。 誰にも知らぬ内に、滅びを望めば滅びずに。 生へ執着すれば、その執着の意味の全てを無へ還される。 嗚呼、儂の身に意志が無け...
禁忌の召喚者

禁忌の召喚者 第一一話 the blue rose

 突如として目の前に現れた悪魔。 周囲には逆十字型に磔にされた瀕死の怪物達。 床に溜まり、滴るは赤黒い液体と、悪魔が切り落とした二つの首。 シトリーは、爪を舐めてただ棕をじっと見つめる。 その眼は、獲物を見定める獣...
禁忌の召喚者

禁忌の召喚者 第一〇話 怪奇満ち、思惑揃う。

 寛大聖教と呼ばれる、宗教の信者に連れられるままに、一行は歩む。 心地よさげに、雲一つなく照らす青空に、似つかわしくない疑いの感情を――今まさに一行を先導する信者に向けて。 黙って、ただ黙って足を進めていく。 全身に力を...
禁忌の召喚者

禁忌の召喚者 第九話 怪しきregion  & 求め続けるanswer

 午前九時。 風そよぐ青一色に染められた田んぼの前で、一行は二手に分かれる。 「んじゃ、そういう訳だからここからは別行動だ」 ソロムが快に告げると、快は頷いた。 「解った」 それを見て、ソロムは隣に立つユンガ...
禁忌の召喚者

禁忌の召喚者 第八.五話ー黒幕ー

 「魔界へ帰れ、最終警告だ」 夕暮れの斜陽に隠れる影の様に、ひれ伏す名も無き悪魔属へ爪を向ける者が居た。 彼の名は、ユンガ・テネブリス。 攫われた妻を探す道中、出会った暴徒と化した同胞の説得を試みている最中であった。 ...
禁忌の召喚者

禁忌の召喚者 第八話 開幕のprelude 鳴らすは今宵のpurpose

 何の変哲もない、民家にあがり、快とその仲間たちはちゃぶ台を挟んで会合する。 それは、真夜中のことであった。 重々し気に話すソロムの表情には、事の重大さがおもむろに現れていた。 「天使と悪魔…………両方の力を持ってるって...
禁忌の召喚者

禁忌の召喚者 第七話 何故 i be fighter? 歩みゆく next stages

(ここは、どこだ…………?) 目を覚ました先には、非現実的な風景が広がっていた。 快の前に広がる、荒廃した風景。 殺伐とした景色に敷かれるは、枯れ果てた大地。 その上には曇天が広がり、陽の温もりは一切なかった。 ...
禁忌の召喚者

禁忌の召喚者第六話 後編 will not move anymore

 瞬間の衝撃。 刹那の激痛。  それは、快の初めて受けた、不意打ちによる傷。 人差し指ごと指輪を落とし、快は唖然とする。 「え…………?」 快が左手を見ると、人差し指の在った形跡の残る断面が見えた。 「...
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魔術とは

魔術とは、体内に秘められた魔力を用い、想像したものを具現化させ起こす奇跡である。 扱える魔術はその身の魂に宿された属性、魔力量によって異なり、また訓練によって宿された属性以外の属性魔術を後天的に使う事も出来る。 また、...
禁忌の召喚者

禁忌の召喚者第六話 前編 狙われたkid is…

 天護町、夜の街。 破壊の跡が残され、歩道から道路一帯にかけては粉砕されたテレビモニターの破片と、ガラス片が散乱していた。 かつては、人の賑わい、屋台が点々と開かれた華の都となっていたそこは、封鎖され屋台の代わりにパトカーが停...
禁忌の召喚者

禁忌の召喚者 第五話 真の敵はcomrades? 否定のword

 ユンガに送ってもらい魔界から帰り、快はホテルの入り口に立っていた。 (残り二日か) 快は手元の二枚のカードに目を落とす。 (確か、八岐大蛇とユンガさんが入ってるんだったか………いや、待てよ?) 快はカードをポケッ...
禁忌の召喚者

禁忌の召喚者 第四.五話 敵ー the true enemyー

 「さて、と。あいつはうまくやってるかな」 カウンター席に座り、黒ビールジョッキ片手に呟くソロム。 そこはドイツ、バイエルン州の老舗酒場。 店内の客はほぼ全員、壮年から老人とみられる男性である。 その中で、ソロムは...
禁忌の召喚者

禁忌の召喚者 第四話 変革を起こすdream 増える奇跡のcomrades

 ホテルの窓から差し込む、朝日に頬を撫でられ、快は目覚める。 「んん…………」 目を開けずとも、病院のベッドとは違う柔らかな感触を下にしている事を認識した。 その感覚が、昨夜の出来事を夢幻と捉えさせなかった。 身に...
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