天使の階級について

天使。

それは高貴なる、物質的肉体無きもの。

聖人を時に祝福し、時に守護する――天に座する者達の総称である。

基本的には魔族と同様に、人間へと擬態している。

これは身分の高さを誇示する目的こそ同じだが、高位の者になると、人間への接触の機会が多い事から来ている。

また、魔力の高い者になればなるほどに美しい人間の姿へと変われるのも同じだが、魔族が扇情的にして耽美、人間の獣性を煽るような外見をしているのとは対照的に、厳格にして華美な印象を与える姿、黄金と乳白色の法衣や白色のスーツ姿で現れる事が多い。

特に同一の起源である悪魔属からは潔癖かつ堅い姿と評され、対して天使からした悪魔属の印象は頽廃的、下品であられもないと評している。

元は同じ存在である悪魔属とは、今となっては力、魔力、知恵、数共に全く互角である。

かつては、優秀な天使が堕天した為に、悪魔属が一方的なまでに優勢だったのだが――――。

そして、高位で名前のある者程に総じて神の教えに対して厳格な性格であり、また失楽園事件を覚えている者達ばかりである。

忠実にして敬虔なる信仰こそが、互いに強大な力で争い合う事を回避する唯一無二、最善の手段である事を信じているのだ。

そう決める事が、彼らにとっての失楽園事件への戒めにして慰めとなっている。

ただし、彼らは本来厳しいだけではないのだ。

道徳理念の基礎を、地上界に与えたのも彼らだし、秩序の大切さを説き、時に病すら治していく事もあったのだから。

頻用語 脅威度についてはこちらを参照されたし

疑天使アンゲロス

主に、人と天使の間に生まれた者達の総称。

堕天使が生んだ、及び孕ませた子はネフィリムという亜人族、巨人の魔族になるが、神々への忠誠心と信仰を持つ天使が親となると、疑天使という存在として生まれる。

由来は古代における伝令師を意味するという。

その出自故、人間の肉体の脆さ、天使の美しさとアイテールの高い消費体質を持ち、非常時には本人(人と言えるかはさておき)の意思によって天使の力を発動できる。

ただし、大気中のアイテールを必要とする事、強さはその血統にもよる所が多い為、ほぼ天界においては非戦闘員である事が多い。

天使エンジェル

神々から作り出された使い。

最も身分の低い種族であり、そこには無数の名も無き天使たちが属している。

様々な生物の力の源、アイテールを地上界から天界まで運ぶ役割を与えられている事が殆どだが、天界の食物を作る者も居る。

天界の雑用係的身分である。

大天使アークエンジェル

天使よりも上位の使い。

古代天界においてはこれ以上の階級は争いの元となると考えられたが、天使との魔力の量の差が激しい者、ほぼ変わらない者も同じ座に位置するのは如何なものか、と会議にかけられ、大天使は総合脅威度Dの者が付く事になった。

主に天使をまとめ、派遣先を采配する役割を担っている。

権天使プリンシパリティ

大天使達を総括する使い。

人間達の権力を司り、天界から善悪の二元論の下、悪政と善政を見定め、権力を魔力によって剥奪する事が神によって許される立場に居る。

天界の神、天使らへの信仰無き時代では、殆ど力を振るえないという致命的な弱点も抱えている。

総合脅威度D2の中でも、魔力が高い者がここに着く。

能天使パワー

魔界や冥界へ派遣される秩序の使いにして、兵士。

普段は軍団の中で他世界への干渉、侵略、及び悪行を働いていないかを視察する役割を担っており、もし破った者を見かけた場合には、上位の天使に裁きを求める権利を持つ。

戦争時に動ける者が着く為、総合脅威度が高く、C以上がここに入る。

名のある者も居るが、これは本人の意思でこの地位に居るという。

例 ラファエル カマエル(彼らは総合脅威度Aであるので、時にこの座よりも上位の天使への意見を言う事も許されている)

力天使ヴァーチャー

魔力を与え、力無き者を精神的、肉体的に補佐する役割を担っている使い。

戦争時には下位、上位問わず天界の者達に力を与え、操る権能を持ち、”力”はそれぞれ

再生力 知力 魔力 瞬発力 防御力 物理力 といった力 という概念にならば何にでも広く応用が利く。

その為、人”力”の機械を軽くしつつ、かける圧”力”を大きくして動きやすくするという事も出来る。

平和な時には、そういう力の使われ方をされる事が多い。

記憶力や気力の概念も操れる為、自分より脅威度が格下の存在ならば、無気力、無知の存在にしてしまう事も出来る。

総合脅威度は最もバラバラである。

主天使ドミニオン

一番関わってはいけない存在らだと評判の使い。

狂信者的性格の個体が多く、神々を冒涜する生命の存在を赦す事無く、一族ごと裁く。

一説には、絶滅した動物の一部は彼らの裁きによるものだと言われているが、誰も覚えていないし、そもそもそんな存在は悉く消え失せるべきで、最初から誰もそんな存在は居ない、と豪語してやまない。

他世界へ繋がる門が溶けないよう、権能によって保つ役割を担っているが、無信仰によって、各世界が満月の時時以外ほぼ閉鎖されている。

しかし、それは神々の存在を知らないだけであって、知っていたのならばこのような事は起きない筈だ、と上位の天使の中で一番寛容に考えているようだ。

脅威度はBとそこそこながら、苛烈な性格と記号の脅威の具合を鑑みれば、一番恐ろしい天使である。

ハシュマルが、その主天使達の総帥を担っている。

座天使ソロネ

神々の意思の具現化、尊厳を守る使者。

ラファエルもここに所属していた時期があり、主に神ごとの偶像崇拝の可否を問い、その方針に従って地上界で偶像を壊し、あるいは炎を纏い、修復を促すのが仕事である。

地上界に顕現しながらも、実力ある天使が座するのがこの地位であるが、一番多忙である。

脅威度はB以上A未満が多い。

智天使ケルヴィム

黄金の果実実る、世界樹らを守護する番人。

失楽園事件の後、組織された戦闘能力の高い者が成る地位である。

天界の世界樹を守護しつつ、それの生えた平原に繋がる門を守護する役割を担っているが、圧倒的に仕事が無い為ほとんどの天使がこの地位に着く事を目指している。

脅威度はC3。

熾天使セラフィム

ミカエルが指揮官に着いている、最高位の階級。

天使らの実質的な王であり、神々に意見する事が出来る唯一の存在である。

かつては、この上の存在が二柱居たが、今となっては天界の石碑や木の削られて出来た後に、その名が残るのみとなっている。

天界の主力兵器的存在であり、その脅威度はB3以上A2未満(ミカエル一柱が現在、その平均を引き上げている現状にある)

神仏

あらゆる名のある、かつて竜の眠っていた時代に地上界で奇跡を起こした存在。

現代に残る叙事詩や創世神話に名が残っている者は、基本的にこの天界の王として、信仰地域の上に位置している場を支配している。

天界神ヤハウェが一時、支配欲の虜となっていた過去があり、今ではあらゆる神々と仲良く暮らそうとしているが、他の神からは昔の神々の争いを引き合いに出され、孤立している。

彼が天使――神々の眷属を生み出し、他の神にも分け与えた事は、彼の唯一の美点だとされている。

炎天神アフラマズダは自身の眷属を独占していた。

信仰と知名度によって、その脅威度が上下し、また各神々の力は時代によって同じになる事はほぼ無かったが、現代では知名度も信仰も拮抗している。

また、天界においては一番自由な存在でもある為、一部は魔界や冥界に住む事も出来る。

脅威度は基本A。

また神々は多く存在しているため、支配地を分け合う事も多々あり、信者もそれに引っ張られ、交わって争うと気まずくなりがちなのが悩みだという。

基本、人類の親的な存在であるため、その性格ももっとも人間臭い。

連載中

【塵芥のジャガーノートは強欲にて】https://novelpia.jp/novel/258

【明けの明星と呼ばれた異星人は異世界から地球への帰還を目指すようです】https://ncode.syosetu.com/n4547ih/

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