~新夜話式童謡~(new nursery rhyms )

 今夜、紹介するのはナーサリーライム。

即ち、童謡である。

今回は私が個人的に調べていく内、ほの暗さを感じたものを三つ取り上げる。

なお、訳は私の意訳と個人的解釈が含まれているので注意。

息の根止まったクックロビン(英国童謡)

誰が彼の鼓動を止めたのか

スズメは語った「私が止めた」と。

この弓で、羽まで付けた矢で。

止めてやったぞ、彼の鼓動を。

屍見つけた。

蠅は語った「僕が見つけた」。

この小さな複眼で、その体を。

僕が見つけた、小さな屍。

血液取られた。

魚は語った「私が取った」。

私のお皿で、小さなお皿で。

私がとった、お皿に取った。

死装束繕う。

甲虫は繕う「俺が繕う」。

俺の糸で、俺の針で。

繕ってやろう、死装束。

墓穴を掘ろう。

梟が言った「ワタクシが掘ろう」。

ワタクシのシャベルで、このシャベルで。

掘ってさしあげよう。

誰が務める牧師さん。

鴉が言い出す「俺が務める」。

俺の本で、この本で。

務めてやろう。

付き人は誰か。

雲雀が言い出す「私が付く」と。

暗くならぬように、明るくやって。

付いてやりましょう。

誰が運ぶか松明を。

ヒワが手を上げ「私が運ぶ」。

すぐに取り出して、運んでやるとも。

私が運ぼう。

誰が喪主だろうか。

鳩が申す「僕が喪主だ」。

愛したあの子を悼んでいる。

涙を流す、柔らかに。

棺を担ぐのは。

とんびが言った「私が担ぐ」。

徹夜することにならなければ。

私が担いでしんぜましょう。

ツグミが賛美歌を歌い、ミソサザイの夫婦は棺覆いを持って。

雄牛が鐘を鳴らす。

天に響くは小鳥の嘆き。

空から落ちるは小鳥の涙。

鐘が鳴る時、聞いているのは。

一体誰であろう。

ハンプティ(英国童謡)

ハンプティが塀にすわった。

ハンプティが落っこちちまった。

王の馬や家来がかかっても、元にゃ戻せなかった。

十人のくろんぼ(米国童謡)

十人のくろんぼ、ごはんを食べる。

一人詰まらせ、九人に。

九人のくろんぼ、夜更かしした。

起きる事無く、八人に。

八人のくろんぼ、デボンへと。

一人が残り、七人に。

七人のくろんぼ、棒を切る。

自分を切って、六人に。

六人のくろんぼ、ハチの巣いじる。

はちに刺されて、五人となる。

五人のくろんぼ、勉強する。

大法院に入って、四人となり。

四人のくろんぼ、海へでかけて。

ニシンに喰われて三人に。

三人のくろんぼ、動物園で。

熊に締められ、二人きり。

二人のくろんぼ、ひなたぼっこ。

日に焦がれて、たった一人。

独りぼっちの、くろんぼ君。

首を吊って宙ぶらりん。

そして、誰もいなくなった。

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