2021-11

禁忌の召喚者

禁忌の召喚者 第一七話 曇天≪わざわい≫を、晴天≪ちから≫へと。

 青空の下に、満身創痍の戦士たちは跪いていた。 止めようのない血を、黒い道に流し――垂らして。 「おい、快、生きてるよな?」 棕は快の傷ついた体を揺さぶる。 額を真っ赤に染め上げ、隻眼の眼で幼い――死相浮かんだ快の...
ろぐばの日常

リクエスト企画回! ろぐばの日常!

第一話 プエルラ・テネブリス  プエルラ・テネブリス。 その名は、全てを統べる――魔界の大魔王を意味している。 残酷なる運命に、その身を虐たげられながらも、その全てを跳ねのけ、全てを己の糧とした”最強の魔族”。 そ...
禁忌の召喚者

禁忌の召喚者第一六話 炉心溶融ノ果テ≪メルトダウン・オーバー≫

光の中を突き進み、快は炎に身を焦がし、臆することなく剣を振るう。放ちゆく斬撃は、紅蓮の炎よりも激しく――蒼炎をも焼き尽くす白炎を纏っていた。全力の攻撃は、快の視界に捉えた、ジェネルズの姿を切り刻んでいく。その連撃を前に、ジェネルズは片腕で...
孤独なる魔王

孤独なる魔王for bifore 禁忌の召喚者 (いい夫婦の日特別回)愛成≪アイジョウ≫

「ユンガよ! もうそろそろ番を考えるべきではないか?」城の窓から顔を出した、獅子の頭が言う。駄目ですよ。と言うと、わかり切った様子で頭を窓から下げてしょんぼり。その様子が思い浮かび、とても心痛むので、僕はいつもの言葉を口にする。「懲りずに...
禁忌の召喚者

禁忌の召喚者第一五話 生≪あす≫を賭けた戦い

 快はゲームセンターを出て、印章封印札を取り出す。 ゲームセンターを出ると、辺りは夕焼け空に染まっていた。 「ソロム、ユンガさん、大丈夫ですか?」 印章封印札に向かって話しかけるが、相も変わらず反応は無かった。 (...
禁忌の召喚者

禁忌の召喚者第一四話 その胸にあるのは

 人で賑わう遊び場たるそこは、少年を捕える牢獄へなさんとしていた。 快は走り、元居た場所へと向かう。 しかし、歩けども駆けようとも、光景が変わる事もなく。 「…………どういう事だ?」 その様はさながら、”柵”へ囚わ...
禁忌の召喚者

禁忌の召喚者 第一三話 引き戻されていく、深淵へ。

 一行は、教会を出て北へ二キロ離れていった。 教会から、逃げるかのように。 「あれで、本当に終わったんだろうか」 快は、言葉を零す。 「さぁ、問題はあの銀髪のおにーさんの方じゃない?」 棕が返すと、思い出した...
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魔鎧・魔剣・宝剣(特殊武装)について

魔鎧 魔鎧とは、魔力の込められた鉱石や一般的に流通されおらず”存在していない事にされた”素材によって作られた鎧である。 本来、鎧とは主に外部からの衝撃から装着者を保護する役割を担う防具であるが、魔鎧は秘められた魔力、素...
禁忌の召喚者

禁忌の召喚者 第一二話 終≪シンジツ≫に近づく冒険

 「………棕さんは大丈夫だろうか」 快は、怪しげな白装束集団からの注目を一点に浴びながら――呟いた。 その後、無言で棕の帰りをひたすらに待っていると、不安に駆られている様子の快に更なる追い打ちをかけるかのように、教会全体が揺れ...
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