2021-10

禁忌の召喚者

禁忌の召喚者 第???話 誰かが見た戯言

 泡沫の夢を見る。 瞬きと共に消えゆきそうな、そんな望み。 いつからすれ違ったろうか。 誰にも知らぬ内に、滅びを望めば滅びずに。 生へ執着すれば、その執着の意味の全てを無へ還される。 嗚呼、儂の身に意志が無け...
禁忌の召喚者

禁忌の召喚者 第一一話 the blue rose

 突如として目の前に現れた悪魔。 周囲には逆十字型に磔にされた瀕死の怪物達。 床に溜まり、滴るは赤黒い液体と、悪魔が切り落とした二つの首。 シトリーは、爪を舐めてただ棕をじっと見つめる。 その眼は、獲物を見定める獣...
禁忌の召喚者

禁忌の召喚者 第一〇話 怪奇満ち、思惑揃う。

 寛大聖教と呼ばれる、宗教の信者に連れられるままに、一行は歩む。 心地よさげに、雲一つなく照らす青空に、似つかわしくない疑いの感情を――今まさに一行を先導する信者に向けて。 黙って、ただ黙って足を進めていく。 全身に力を...
禁忌の召喚者

禁忌の召喚者 第九話 怪しきregion  & 求め続けるanswer

 午前九時。 風そよぐ青一色に染められた田んぼの前で、一行は二手に分かれる。 「んじゃ、そういう訳だからここからは別行動だ」 ソロムが快に告げると、快は頷いた。 「解った」 それを見て、ソロムは隣に立つユンガ...
禁忌の召喚者

禁忌の召喚者 第八.五話ー黒幕ー

 「魔界へ帰れ、最終警告だ」 夕暮れの斜陽に隠れる影の様に、ひれ伏す名も無き悪魔属へ爪を向ける者が居た。 彼の名は、ユンガ・テネブリス。 攫われた妻を探す道中、出会った暴徒と化した同胞の説得を試みている最中であった。 ...
禁忌の召喚者

禁忌の召喚者 第八話 開幕のprelude 鳴らすは今宵のpurpose

 何の変哲もない、民家にあがり、快とその仲間たちはちゃぶ台を挟んで会合する。 それは、真夜中のことであった。 重々し気に話すソロムの表情には、事の重大さがおもむろに現れていた。 「天使と悪魔…………両方の力を持ってるって...
禁忌の召喚者

禁忌の召喚者 第七話 何故 i be fighter? 歩みゆく next stages

(ここは、どこだ…………?) 目を覚ました先には、非現実的な風景が広がっていた。 快の前に広がる、荒廃した風景。 殺伐とした景色に敷かれるは、枯れ果てた大地。 その上には曇天が広がり、陽の温もりは一切なかった。 ...
タイトルとURLをコピーしました