2021-04

孤独なる魔王

ー孤独なる魔王第11話ー覚醒ー

何も見えない暗闇に、少女は佇む。 その目に映るのは、虚無。 「ここは、どこ? 」 歩みを進めども、不思議に思う程に疲れずに、不気味な程に、無音で殺風景な風景が拡がっているだけだった。 「……お爺様? ……お父様? ...
孤独なる魔王

ー孤独なる魔王第10話ー暗闇ー

魔界の空に響き渡る翼のはためく音。 それを鳴らすは、少年を乗せた魔獣の王。 向かうは魔界病院。 空中を羽ばたかせながら背に乗るユンガの方を向いた。 「………しかし、良いのか」 「……何が、です?」 「そ...
孤独なる魔王

ー孤独なる魔王第09話ー傷痕ー

ーーーーーーーーーーーーー  目が覚めると、そこは真っ白な天井。あの後、自分の身に何が起こった? そう、自分は確かに、あの人間との戦いの後、強制的にハエの大群に包まれそこから気を失ったのだ。 ハエの大群…思い当たる節は一...
孤独なる魔王

ー孤独なる魔王第08話ー死別ー

 男の怒号、館を眩く照らす閃光、大地を轟かす衝撃、 放たれる光線、弾を相殺させ生じる破裂音。 それらを起こしているのは一人の男と老人。 レクスは目の前に迫る塊を前にあらゆる手を付くし、勝負は今にも雌雄を決さんとしていた。 ...
徒然なるままに

ー前置きー

まだ思い出として記憶がはっきりしてるうちに今まで生きてきた半生を描いていこうかなと思ってます 遠い記憶を頼りに描いていきますので書いているうちに突然思い出したことを載せたり つじつまが合わなかったりすることも多々あるともいます...
孤独なる魔王

ー孤独なる魔王第07話ー戦場ー

「じいじ、本読んで~!」  無邪気に、ソファーの後ろにある赤い表紙の本を抜きそれを目の前に差し出す孫娘。  それは、お前にはまだ早い魔術書だよ。 儂わしはそっと本を孫の小さな手から元の場所へ戻し、代わりに昔読み古した簡単...
孤独なる魔王

ー孤独なる魔王第06話ー破壊ー

勝負は、一瞬だった。獣の王であるが故に、牙と爪による攻撃しか知らぬ。それが、敗因だった。下腹部に貫通した、手刀。「………ウガアッ!?」腕を動かし、尻尾を動かし悶えその場で仕留めようと跑く。 しかし、眩い光の力を身体に放出させたレクス...
孤独なる魔王

ー孤独なる魔王第05話ー激闘ー

あれから、どのくらいの時間が経ったろうか。 三匹の悪魔を相手に、短剣と魔術一つで迎え撃ち致命傷を与える男と、汗を流し、息を切らし、戦う悪魔達。 熾烈を極めた激闘は、悪魔達の余裕のない挙動と、男の汗を流しながら攻撃を受け流してい...
孤独なる魔王

ー孤独なる魔王第04話ー地獄ー

「ダリャァ!!」 金属同士が擦れ、火花が散る音が、塔の中に響く。 しかしそこで行われているのは武器による戦闘では無く、獣同士の争いのような、素手による乱闘だった。 悪魔の爪を、男は鎧の籠手でいなし拳を顔面に当てる。 ...
孤独なる魔王

ー孤独なる魔王第三話ー蹂躙ー

「ここか、おぞましき怪物どもの巣窟は」2mはゆうに越える背丈の男は、魔界の空を裂き、ふわりと大地に足を降ろした。絢爛豪華な装飾がされていた痕跡の残る赤黒く汚れた鎧を、異形の怪物の骨で彩る深紅の髪をした、鋭い目付きの男。 彼の名は『レ...
孤独なる魔王

ー孤独なる魔王第二話ー追憶ー

「お父さんっ、今日も伝統。頑張って」 「ああ、我輩も由緒正しきテネブリス家の当主だからな」 古びた城の中で、少女は五mはあろうかという大男に微笑みかける。 彼の名前はダグラス・テネブリス。魔界の歴史で二代目に魔王の座につ...
孤独なる魔王

ー孤独なる魔王第一話ー序曲ー

RPGをベースとした世界観のろーぐのファンタジー小説の1話です! _彼女は、如何にして‘魔王‘と化したのか__
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