魔術とは

設定

魔術とは、体内に秘められた魔力を用い、想像したものを具現化させ起こす奇跡である。

扱える魔術はその身の魂に宿された属性、魔力量によって異なり、また訓練によって宿された属性以外の属性魔術を後天的に使う事も出来る。

また、保有する魔力によっても魔術を扱う難易度、威力が変わる。

魔術を扱うために必要な魔力量は魔術によって消費されていくが、種族と血統によって消費した魔力が自然に全快する時間が違う。

そして、消費させ全快した後には体内に保有する魔力の容量がほんの少し増える。

それを利用し、魔術師達は魔術の鍛錬に精進し、魔力量を高めている。

また、魔力量は自身の子孫に遺伝し引き継がれていく。

そのため、優秀な魔術師の血統は魔力の脅威度が高い。

魔術は再現・発現に必要とする魔力量ごとに、初級、少級、中級、上級、最上級、禁呪と分けられている。

因みに魔術の習得方法には、三つある。

一 魔術書・魔導書からの学習――― 魔術書とは、魔術師の書き記した、魔術を脳内でイメージさせやすくするための呪文がまとめられた本。

中には付録として一部の魔力を再現させるだけの魔力が同封されている場合もある。

魔術書は著者である魔術師の扱う魔術を再現させる目的で作られ、読まれるのに対して魔導書は自身の魔術を目的ごとに発展、開発させるのに使われる。

そのため、魔術書は具体的に著者の魔術を再現するのに必要なイメージさせるものと詠唱する呪文が詳細に書かれている。

その一方で魔導書は読者の扱う魔術を、目的に合わせて応用し、形を変化させる際の脳内での裏技が書かれる。

絵の練習本に例えれば、魔術書はいわば”トレス素材”であり魔導書は”絵のテクニック集”と言えるだろう。

それ故、魔術の初心者は魔術書から学ぶ事が多い。

二 師を持ち、師から教わる――――魔術師として名のある者に弟子入りし、魔術の扱いを学ぶ。

それは、魔術書や魔導書を読み込む事よりも魔術を扱う者にとっては最も理想的と言える習得方法である。

なぜなら、実際に魔術を扱う際の経験を持った者に、修行を通じて手取り足取り教授してもらい、自身に適した魔術がなんなのかから教わる事となるからだ。

独学・魔術書や魔導書から学ぶ場合と比較して、自身の習得する魔術を完全に成熟させ、自由に扱えるのに時間がかかる。

しかし、その分様々な場面で汎用性の高い魔術として、自分の属性魔術を扱えるようになるだけでなく、自分とは違う属性魔術も不自由なく用いることが可能となるのである。

そして、師となる魔術師の方針にもよるが教わる魔術を何度も修行の内に使う事になる為、体内に宿る魔力量も徐々に増えていく。

故に、師から教わり魔術師となった者、魔術を扱えるようになった者は魔力の脅威度が高い傾向にある。

三 独学――― たった一人で、感覚とイメージだけで何度も魔術を使い、魔力を増幅させていき我流の魔術を生み出していく方法。

この場合完全なる我流か、見様見真似かの二択に分けられる。

完全なる我流となる場合、固定されたイメージが脳内に無い分、独自の魔術を生み出しやすく、実際に中には属性を伴わない独自の魔術の開発に成功している例もある。

だが、イメージを完全に自分の中で一から構築していく事になるため、魔術に込められた魔力が暴走し、大事故につながる危険性が常に付きまとっている。

見様見真似の場合は大抵誰かの魔術の粗悪な模倣にしかならないが、何度も繰り返し使っていく内に独自の魔術に昇華されていく。

完全なる我流よりも比較的事故が起こる可能性が低い上、自分のペースで得意とする魔術を見出していける事が魅力といえるだろう。

魔術の難易度・必要魔力量

これは、各属性の得手不得手問わず発現・再現に必要な魔力量と難易度から分析される位であり、魔力の脅威度によって扱える位の範囲が異なる。

また、鍛錬によって実際に経験し、魔術を発現させるか道具によって魔力を得たうえで発現させる魔術とでは魔術の質も位も変わってくることとなる。

初級(再現・発現に必要魔力脅威度 W~)

イメージさえできていれば誰でも可能。

呪文詠唱の必要 上記魔力脅威度内であれば無し。これ以下であればそもそも詠唱しても発現しない。

扱える魔術と各威力 属性発現魔術(ライターの火並みの火力を出す。雹を出すなど)念動魔術(五cm先の物を二~三cm動かすなど)召喚魔術(自分の身の回りにあるものを取り出すなど)

少級 (再現・発現に必要魔力脅威度 I~)

魔術書・魔導書を一、二冊読み込んでいるか軽い知識がイメージに伴っていれば可能。

呪文詠唱の必要 上記魔力脅威度内であれば無し。これ以下であればそもそも詠唱しても発現しない。

扱える魔術と各威力 属性発現魔術(ガスバーナーの火並みの火力を出す。氷の粒を出すなど)念動魔術(一m先の物を自分の手元まで動かすなど)召喚魔術(半径四十m以内にあるものを呼び出すなど)

 
中級 (再現・発現に必要魔力脅威度 G~)

魔術書・魔導書を五〇冊ほど読み込んでいるか、相当な修練を積んでいなければ扱えない。

しかし、これを扱えてようやく魔術師と呼ばれるようになる。

呪文詠唱の必要 上記魔力脅威度内が通常使用するのであれば無し。これ以下が扱う場合には必要。威力、効果を高めたければ必要。

扱える魔術と各威力 属性発現魔術 (炎の柱~火球を繰り出す、氷の礫~氷柱を発射するなど)念動魔術(目の前の建築物以外の物を動かす、浮かせるなど)召喚魔術(地上の物であればなんでも五分以内に召喚可能)転移魔法(自分のいる場所から一km~一五km先に転移可能。だが五分のラグがある)

上級 (再現・発現に必要魔力脅威度 D~)

ここから扱えられるのは王宮魔術師に選ばれるような上級魔術師か、魔族となる。

もしくは、道具によって一時的にA級相当の魔力を手にした場合によってのみ扱える。

呪文詠唱の必要 上記魔力脅威度内が通常使用するのであれば無し。これ以下が扱う場合には長時間の詠唱が必要。威力、効果を高めたければ必要。

扱える魔術と各威力 属性発現魔術 (大火球~蒼炎の火球を繰り出す、吹雪~猛吹雪を出すなど)念動魔術(目の前の建築物を動かす、浮かせる、捻じ曲げる、圧縮するなど)召喚魔術(魔法陣を展開し、異界の品、異界の者を三分以内に呼び出す)転移魔法(自分のいる場所から知っている場所に転移可能。しかし一分のラグがある)

防御壁魔法(自身の魔力脅威度より低い魔力から発せられる魔術を反射、防御が可能)

最上級(再現・発現に必要魔力脅威度 B~A)

これを扱えるのはもはや神ともてはやされるレベルの大魔術師か、もしくは、上級魔族になる。

呪文詠唱の必要 基本必要。しかし、上級魔族や天使が軽い場面で使う場合は不要。

扱える魔術と各威力 属性発現魔術 (白く発光する火球を出す、絶対零度を繰り出すなど)念動魔術 (あらゆるものを自由自在に浮かべ、潰し、捻じ曲げ、飛ばす) 召喚魔術(異界の品や異界の者を時間差無しで召喚する)転移魔法(あらゆる場所へ移動可能。ラグが無くなり瞬間移動となる)防御壁魔法(自身の魔力脅威度より低い魔力から発せられる魔術を反射、防御可能に加えて物理的なダメージも反射及び軽減させることが可能になる。魔力脅威度に対して相手の物理力脅威度が高ければ軽減、低ければ反射)

禁呪 (A三~)

禁呪と呼ばれる魔術は二つあり、一つは魔王の器、神々、竜達でなければ不可能な御業。一つは使う事を禁じられた魔術。

扱う事を禁じられた理由は危険性や強大すぎる効果からきている。

地上界において、かつて禁呪に指定された魔術は使用が確認されれば魔女狩りに逢い厳罰・制裁対象に入られた。

また、人間がこの”不可能な御業”の禁呪を扱えたのは歴史上ただ一人である。

呪文の詠唱の必要 この魔術を扱う者に、詠唱が必要だったことが無い為便宜上”必要なし”。必要になった時こそ、世界のバランスが何かによって崩壊したときとなるだろう。

扱える魔術と各威力

属性発現魔術 (第二の太陽かそれ以上の火力を生み出す。永久凍土の氷塊を瞬時に生み出すなど)念動魔術(質量すら無視し、操れないものが無くなる)召喚魔術(あらゆる時間軸のあらゆる品、あらゆる者を召喚できる)瞬間移動魔法(転移魔法が昇華されたもの。時間差や距離、世界の境界を無視して移動が可能、)結界魔術(防御壁魔法が昇華されたもの。任意の範囲に結界を展開し、あらゆる衝撃を弱体化、無効化させる。これを利用し自分の魔術の被害を抑える事も可能)未来視の魔術(視界に入った任意の生物の未来を映像として視る魔術)

空間操作魔術 (空間を生み出す、あるいは空間内の森羅万象の因果律を操作する。魔術の極致)錬成魔術(あらゆるものから、必要な品を生み出す魔術。一説には妖精属がこれを持っているとされている)

時空魔術 (時間を操作する。時を止める、時を進める、時を進めていった先に行く、過去へ戻る等。しかし、時間を操作する者はその操作の際の激しい魔力消費と苦痛に耐えられなければならない為現時点では扱う者が確認されていない。

混沌魔術 (属性魔術の根幹となる闇・光の魔術を昇華させていった属性魔術の極致。その力は未知数。ただ一人、とある人間が扱ったという)

~地上界の法で禁呪とされていた魔術~

時代の闇と共に葬られていった、禁呪。

表舞台に紹介されている魔術よりも低い魔力量で発現・再現が可能な為非常に警戒されていたのである。

詠唱の必要 無し。簡易にできるが故に恐れられた。

契約魔術 (契約を結び、異種族や魔術師の力を与え、代償として何かを差し出させる、もしくは拘束する魔術。地上界では禁呪とされている)

毒魔術 (かつては属性魔術に分類されていたが、とある人物によって地上界では禁呪に指定された。毒を扱う魔術)

催眠魔術 (意識を混濁させる。地上界では禁呪指定を受けている)

催淫魔術 (サキュバス系統の悪魔属や裏世界を生きる魔術師が使用する。禁呪指定の魔術)

魔術の効果や力は、扱う者の意思や経験、性格・人生観が如実に表れる。

故に、魔術を他の魔術師に披露しもてなす事は見せる魔術師に敬意を払い、己を見せても良い程信頼するという意味を持つ。

そのためか、魔術師同士が挨拶を交わす際には軽く、小さな魔術を見せる事が礼儀となる。

例を挙げれば、水属性が得意なら水球を指先に浮かばせ、弾けさせたり、雷属性が得意なら静電気レベルの電流を手にまとわせ、握手をするなどが社交辞令となっている。

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